
赤ずきん」「シンデレラ」など、近代童話の祖シャルル・ペローによる古典童話集の新訳。表題作をはじめ、語り継がれてきた物語の原型に触れられる一冊である。カバーは、淡いベージュの題字帯の下に、深い緑の森を描いた絵画を大きく配する。等間隔に立ち並ぶ樹々の奥には青い天蓋の寝台、足元には白い花を散らした茨が画面いっぱいに広がり、眠りに沈んだ森の静けさが平面的な構図で立ちのぼる。物語の象徴的な情景を、装飾的でありながら静謐な筆致で閉じ込めた一冊。

著燃え殻
装丁熊谷菜生
カバー写真草野庸子
新潮社 / 2021年
文学・評論