
高校の図書研究部を舞台にしたビブリオバトル小説のシリーズ第三作。本をめぐる議論と青春を描いてきた連作の、世界の終わりという主題を引き受ける一篇。淡いミントグリーンの地に、白衣を羽織った人物が頬杖をついて椅子に腰かけ、湯気の立つカップを傍らに置く構図。線の細いイラストレーションは余白を大きくとり、タイトル文字は本文中ほどに横一列で抜かれている。穏やかな色面と、終末を語る題字との温度差が、静かに来るべき時を見つめる物語の佇まいを伝える。

著大矢博子
装丁アルビレオ
装画嶽まいこ
東京創元社 / 2024年
文学・評論