
生まれつき表情を持たない人々が暮らす地下世界で、健気な少女が国を揺るがす陰謀に巻き込まれていく異世界ファンタジー。深い藍墨色の地に、いくつもの鳥籠が宙から吊り下げられ、その中央の籠に赤いドレスの少女が立つ。仮面や蝶、コウモリが闇に舞い、点々と灯る黄色が物語の手がかりのように散らされている。タイトルは白の明朝体で縦に大きく抜かれ、黄土色の帯が現実と幻想をつなぐ仕切りとなっている。閉じこめられた世界の不穏さと、その奥に灯る光をひとつの画面に収めた装幀。

著RaabThomas、酒寄進一
装丁山田英春
装画高山裕子
東京創元社 / 2017年
文学・評論