
震災の港町を舞台に、家族の介護を背負ったヤングケアラーたちの青春と再生を描く長編。義務や後悔を手放して自分の人生を生きることへの問いかけが、静かに通底する。表紙は青いダッフルコートを羽織り、リュックを背負って海辺に立つ少女の横顔を、淡い藍と空のグラデーションで描く。タイトル文字は白抜きで少女の輪郭と海面に重なり、夜明け前の薄明を思わせる。背景に小さく描かれた灯台が、立ち尽くす少女の視線の先にそっと光を添えている。

著SchirachFerdinandvon、酒寄進一
装丁森田恭行
東京創元社 / 2015年
文学・評論