
妖怪と人間のあいだに立つ少女・岩永琴子をめぐる連作短編集。怪異と論理がせめぎ合う「虚構の推理」が、いくつもの事件のかたちで重ねられていく。表紙では、白いワンピースと帽子をまとった少女が杖を手に水辺へ歩み出し、その周囲をけものや小さな妖たちが取り巻く。淡い水彩の緑と水面の白が画面を包み、「虚構」「推理」の黒い大字が左右から少女を挟んで立ち上がる。タイトル文字は朱で小さく添えられ、絵物語のような柔らかさと、推理小説の硬質さが一枚の中で同居している。

著伊吹亜門
装丁坂野公一
装画水沢そら
小学館 / 2024年
文学・評論