
検事として「正義」と向き合う一人の女性を描いた長編小説のシリーズ作。融通の利かなさを抱えながらも、自分の信じる筋を曲げない主人公の姿が、ユーモアを交えた筆致で綴られていく。表紙は鮮やかな朱赤を一面に敷き、グレーのスーツに身を包んだ女性のイラストを正面から大きく据える。風になびく髪の動きと、頬にさした朱、まっすぐ正面を見据える瞳が、芯の通った人物像を端的に立ち上げる。白く抜かれた力強い明朝のタイトルが、彼女の意志の強さと響き合っている。

著市川哲也
装丁西村弘美
装画まいまい堂
東京創元社 / 2023年
文学・評論