
江國香織が二十年のあいだに書きためた掌編小説とエッセイを集めた散文集。創作と生活、物語のうちと外を往き来する文章が並ぶ。淡い灰緑色の地に、頭巾をまとった人物が頭上に横たえた枝の束から小さな樹を芽吹かせる線描が中央に置かれ、控えめな明朝体の縦組みタイトルが右に添う。下部の生成色の帯には細い縦書きの引用が並ぶ。人物が静かに支える枝々は、内に芽吹くものと外へ伸びるものを同時に示し、書名の二項を体現するかのようだ。

著BradyMikako、鴻上尚史
装丁鈴木千佳子
朝日新聞出版 / 2021年
文学・評論