
大正・昭和の時代、関東大震災や独立運動に翻弄されながらも「国家」と「血」を超えて生きたふたりの女性を描く長編小説。カバーは金箔を思わせる装飾的な地に小花が散り、髪をまとめたふたりの女性が並んで佇む絵画的な構図。明朝体で大きく組まれた縦書きのタイトルが画面右に堂々と流れ、下半分の白い帯には筆書きを思わせる手書き文字で内面の声が添えられる。古典絵巻のような華やぎと、現代的なタイポグラフィの対比が、引き裂かれてもなお結ばれ続ける二人の物語を静かに支えている。
装丁西村弘美
装画げみ
朝日新聞出版 / 2015年
文学・評論