
沖縄を舞台に、米軍機の轟音が響く空の下で出会った小学生たちの友情を描く児童文学。帯文には「沖縄の心が温まる物語」と添えられ、戦後も続く土地の現実と子どもたちのまなざしが重ねられている。表紙は淡い水色の空と砂浜のグラデーションを背景に、駆け回る子どもたちの水彩画が配され、白抜きの「月」「と」と珊瑚色の「珊瑚」が大ぶりに踊る。透明感のある彩色と手書き感の残るタイトル文字が、明るさの奥にある記憶のやわらかさを静かに浮かび上がらせている。

著工藤純子
装丁坂川朱音
カバー写真田中達也+MINIATURE CALENDAR
講談社 / 2023年
文学・評論