文学・評論
5分後に意外な結末 ベスト・セレクション
桃戸ハル
わずかな時間で読み切れる短編を集めたアンソロジー。タイトルどおり、結末で景色がひっくり返る掌編が並ぶ一冊で、活字に不慣れな読者にも手渡されてきたシリーズのベスト版にあたる。表紙は澄んだ水色を地に、白抜きの手書き風タイトルがゆるやかに踊る。中央には黒衣の少女が円盤の上に立ち、橙色の太陽を背に、本・時計・フォーク・鳥・蛇といったモチーフが線で結ばれて放射状に展開する。物語が次々と分岐していく感覚そのものを、軽やかな線画と限定された配色で一枚に閉じ込めている。