
特殊な力を持つ者たちと、それを管理しようとする社会のひずみを描くSFコミックの第4巻。白地に黒い線描で大きく置かれた顔の輪郭、その口元から赤と緑の鋭い稲妻状の図形、ハーフトーンで打たれた赤い三角、流れ落ちる赤い液体が噴き上がるように立ち上がる。太いゴシック体の本文タイトルや図像は天地を反転させたかのような構図で組まれ、読み手の重力感覚をわずかに狂わせる。静かな線描と原色の衝突が、抑え込まれた力の臨界を一枚の表紙に凝縮している。
著波木銅
装丁森敬太
装画高木真希人
太田出版 / 2024年
文学・評論