
19世紀末ヨーロッパを舞台に、不死の少女と従者が怪奇事件に挑む人気ミステリ・シリーズの第二巻。本巻では人狼の村を訪れた一行が、雪深い館で起こる連続殺人と対峙する。表紙では、白いエプロンドレスのメイドが床に膝をつき、長剣を抱えるように構える。背後には鳥籠や中世的な意匠の鉄細工が深い藍で重ねられ、前景の白と鋭く対比する。線の細い描き込みと光の抜けが、可憐さの奥にある殺気を静かに引き出している。題字は明朝で縦に長く流れ、装画の硬質な空気を引き締める。

著椹野道流
装丁岡本歌織
装画二宮悦巳
講談社 / 2019年
文学・評論