
アガサ・クリスティの作品世界を、〈探偵〉〈舞台と時代〉〈騙しのテクニック〉といった切り口から読み解く入門講座。書評家による、ミステリの女王の名作群を初めて手に取る読者へ向けた案内書である。深いグリーンを基調にしたカバーには、書斎で原稿に向かう女性、本棚に並ぶ背表紙とドクロ、窓辺の猫、ピラミッドや帆船、雷雨の風景画など、作品を想起させるモチーフがレトロな線画と限定された色数で散りばめられる。タイトルは手描き風の太い書き文字で軽やかに躍り、講座という硬質な響きを親しみある誘いへと変えている。古典的な世界観へ扉を開く、温度のある一冊。

著McManusKarenM.、服部京子
装丁アルビレオ
装画岡野賢介
東京創元社 / 2018年
文学・評論