一覧に戻る文学・評論ただし、無音に限り織守きょうや霊の記憶を手がかりに、生死不明の失踪人や不審死の真相に迫る探偵小説。背中合わせに立つ二人の青年を、夕暮れの電柱と曇天が静かに包む構図で、霊と人、生者と死者という二項を視覚化する。タイトルは手書き風の細い明朝で、「ただし、」のオレンジが薄暮の青に小さく灯る。淡彩で描かれた人物の伏し目がちな表情と、湿度を含んだ空気の階調が、声にならないものに耳を澄ます物語の呼吸そのものを写し取っている。About出版社東京創元社出版年2021年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁長﨑綾(next door design)装画中野カヲルAmazonで見る