
団地の屋上に二人の人物が並んで立ち、その上空を巨大なくじらが悠々と泳いでいく——奇妙な部活動を描く児童文学。表紙は、夕暮れの空と水中が混じり合ったような青緑のグラデーションを背景に、空を泳ぐくじらと、地上を区切る団地のシルエットを重ねた構図。気泡や雲が画面全体に散り、印象的な手描きタッチと厚塗りの陰影が、現実と幻想の境界をやわらかく溶かしている。タイトル文字は白く太く、絵の中央に堂々と据えられ、日常のすぐ隣にある途方もない出来事の予感を伝える。
著寺地はるな
装丁岡本歌織
装画ゲレンデ
PHP研究所 / 2021年
文学・評論