
死を司る森に棲む魔女と、彼女が初めて触れる感情の物語。富士見L文庫から刊行されたファンタジー作品である。表紙では、深い緑のローブをまとい杖を携えた赤毛の少女が、白いふくろうを肩に止め、夜空と星を背に静かに佇む。背後には精緻な装飾文様で縁取られたアーチが描かれ、足元には苔むした石、傍らには赤い花と色づく葉が配されて、神秘的な森の気配を立ち上げる。タイトルは縦書きの白抜きで端整に置かれ、画面全体が水彩の繊細な階調でまとめられている。装画の細密さと余白の取り方が、孤独と覚醒の物語に静謐な余韻を添えている。
著角野栄子
装丁鈴木久美
装画こより
KADOKAWA / 2013年
文学・評論