
平凡な村人として暮らす青年が、実は規格外の力を秘めているという異世界ファンタジー。森を思わせる緑深い背景の上に、鮮烈なオレンジの面が大きく載り、そこへ太い明朝体で「LV999の村人」のロゴが堂々と置かれる。手前には三人のキャラクターがやわらかな水彩調のタッチで描かれ、剣や革のブーツ、ローブの質感まで丁寧に拾われている。荒削りなレベルの主題と繊細な人物画、そして広い色面のロゴが互いを引き立て合い、村人という肩書きの裏に潜む物語の奥行きを表紙ひとつで予感させる。

著星月子猫
装丁荒木恵里加
装画ふーみ
KADOKAWA / 2017年
文学・評論