一覧に戻る文学・評論虚像のアラベスク深水黎一郎タイトルが暗示するのは、像と真実、舞台と裏側のあわい。アラベスクは踊りの一姿勢でもあり、装飾文様の名でもある。カバーは19世紀の油彩画を全面に据え、ざらついた筆致と霞む輪郭をそのまま受け止める。中央の踊り子が片足で均衡を保ち、奥には観客らしき影が滲む。タイトル文字は鮮烈な黄で斜めに重なり、絵の静謐を破らずに浮かぶ。古典絵画の佇まいと、虚像という言葉が引き寄せる物語の予感が、一枚の構図の上で穏やかに溶け合っている。About出版社KADOKAWA出版年2018年判型四六判 / A5判 サイズジャンル文学・評論Amazonで見る