
短歌と俳句、二つの詩型の書き手が互いの作品を持ち寄り、五十回にわたる読み合いを繰り広げる対話の記録。鮮やかな黄色の地に、無数の小さな漢字や仮名が銀灰色で寄り集まり、勾玉のような大きなひと塊をかたちづくる。文字は粒として散らばりながら全体ではうねりを生み、短いことばが重なって詩になっていく営みそのものを思わせる。タイトルは塊のかたわらに小さく寄り添い、競い合いではなく、ことばを並べて見つめる二人の距離を静かに示している。

著田牧大和
装丁新潮社装幀室
装画丹地陽子
新潮社 / 2016年
文学・評論