
涙にまつわる小さな機微を掬い取るエッセイ集。日々のなかでふと滲んでしまう感情の在処を、軽妙な筆致で見つめ直す一冊。深い藍を背景に、赤い髪に眼鏡をかけた女性が手描きのタッチで横たわり、その服にはカラフルな雫の文様が散らされている。タイトルの「?」からも一滴の青いしずくが落ち、画面の余白には涙のような色斑がぽつぽつと浮かぶ。ためらいのある線と原色の素朴さが、泣いたことを誰かに見つけられた瞬間の、気恥ずかしさと愛おしさをそのまま包み込んでいる。
著てにをは
装丁アフターグロウ
装画大槍葦人
KADOKAWA / 2016年
文学・評論