
会社の経理部に勤める森若さんが、社内のあらゆる経費精算と向き合いながら同僚たちのささやかな事情を見つめていく、お仕事小説シリーズの第四作。表紙は俯瞰の構図で、緑のベストを着た女性がベンチに腰掛けて見上げる姿を中心に据え、周囲には黄色い花をつけた枝葉、舞い落ちる葉、足元をついばむ鳥たちが配されている。クリーム色の地に淡い水玉のタイル模様が広がり、線は細く彩度は控えめで、アニメーション的なタッチがやわらかな日常の空気を運んでくる。働く日々のちょっとした息継ぎを、上から静かに眺めるような一冊。

著小田菜摘
装丁関静香
装画シライシユウコ
集英社 / 2021年
文学・評論