
小説家・恩田陸が日々の思考や読書、旅の記憶を綴ったエッセイ集。曜日と犬を結ぶ軽やかな題名が、生活の細部に宿るものへの眼差しを予感させる。表紙はモノクロームのペン画で、花を活けた壺や器、椅子の並ぶ室内が大きな額縁の中に収められる。右端には黄色いマーブル紙を思わせる帯がかかり、書名は黒い小札に白抜きで静かに据えられている。私的な机辺の景色と装飾的な縁取りの呼応が、観察と思索を往復する書き手の佇まいをそのまま一冊に翻訳している。

著川野芽生
装丁柳川貴代
装画山田緑
東京創元社 / 2022年
文学・評論