文学・評論
わたしたちが少女と呼ばれていた頃
石持浅海
同窓会で再会した女性たちが、少女時代の記憶をめぐって語り合う連作短編。淡い緑を背景に、グレーのブレザーとチェックのスカートをまとった七人の女子高生が、椅子に腰かけ寄り添うように描かれている。リボン、ソックス、革靴まで均質に整えられた制服の群像は、若さの輝きと同時に、集団のなかで個が溶けていく不穏さも漂わせる。タイトルはくすんだピンクで縦に大きく置かれ、背景に白く滲む湯気のような筆致が、過去をふり返る視線の柔らかさと、その奥に潜むざらついた感触をそっと示している。