
幻想的な情景のなかで人と世界の起源を辿る長篇小説。早川書房のSFシリーズ「J-Collection」の一冊として刊行された。カバー画は深い緑青と臙脂を主調に、渦巻く波濤、雲を割って差す光、空に浮かぶ赤い天体、海中をゆく鯨の影が一枚の絵として溶け合い、神話的な水と空の景色を立ち上げる。タイトルは白い明朝で縦に配され、揺らぐ画面のなかで静かな軸となる。「母なる海」を思わせる流動的な色彩が、物語のはじまりへ読者を引き込む装丁である。

著そえだ信
装丁AFTERGLOW
装画toi8
早川書房 / 2020年
文学・評論