一覧に戻る文学・評論玉蘭桐野夏生上海と東京、二つの都市の狭間に揺れながら、女の渇きと記憶の暗部を辿る長編。異郷の街で過去と他者に触れるたび、自分という存在の輪郭がほどけていく。深い藍の闇に一輪の玉蘭が炎のような花芯をのぞかせ、その足元には蛇が静かにとぐろを巻く。冷えた青と燃える朱の対比、絡み合う葉と蕾は、欲望と孤独が隣り合うこの物語の温度をそのまま閉じ込めている。About出版社文藝春秋出版年2021年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁野中深雪装画木原未沙紀Amazonで見る