
戦後日本のアヴァンギャルドを代表する作家による、長らく入手困難だった漫画作品群を初めて単行本としてまとめた一冊。鮮烈な黄色一色を地に、ナイフを握る手のペン画と赤い指示書きのような書き込みが大胆に配される。校正紙や入稿原稿の生々しさを残した構成で、縦組みの邦題と欧文タイトルが交差し、帯文と本文が同じ平面で響き合う。完成された装丁ではなく、制作の現場そのものを表紙に立ち上げたような造本が、作家の批評精神と地続きに見えてくる。
著古川日出男
装丁佐々木暁
装画松本大洋
河出書房新社 / 2024年
文学・評論