
大正から平成、現代に至るまでの日本の食文化の変遷を、女性の社会進出や暮らしの変化と重ねて読み解く近現代史エッセイ。淡いクリーム色の地に、水色の枠で縁取られた中央の挿画が額装画のように据えられ、和装と洋装の人物が食卓を囲む大正期の風俗を思わせる多色刷り版画調の絵柄が配される。タイトルは細い明朝体で縦に流し、脇に英文の手書き風筆記体を小さく添え、帯の藍と紺が全体を引き締める。柔らかな色面と緻密な図像が、時代を渡り歩く食の記憶を穏やかに呼び起こす造本である。
著古川日出男
装丁佐々木暁
装画松本大洋
河出書房新社 / 2024年
文学・評論