
放課後の街を歩く高校生たちを描いた青春ミステリ。創元推理文庫の一冊として、放課後という時間に流れる小さな謎と心の揺らぎを掬い取る連作短編集である。表紙のイラストレーションは、白い欄干越しに春の陽が差し込む遊歩道を、制服姿の四人が一列に歩く瞬間を捉えている。背景の高層ビルと木々はやわらかくぼかされ、足元には白い花びらが舞う。タイトルは桜色の手書き風書体で軽やかに置かれ、英字のサブタイトルが淡い金で添えられる。匿名のまま並んで歩く後ろ姿が、放課後だけに許される束の間の連帯を静かに引き寄せている。

著山田悠介
装丁野条友史
装画loundraw
河出書房新社 / 2020年
文学・評論