一覧に戻る文学・評論錠剤F井上荒野日常の隙間にひそむ孤独を、十篇の物語に編んだ短編集。モノクロの細密な描線で、複数の手に目を塞がれ、開いた口へ一粒の錠剤が差し出される像が中央に据えられる。題字を載せる地と帯、そして舌の上の一錠だけが鮮やかな蛍光グリーンで切り取られ、視界を奪われた身体のなかに異物が落ちる瞬間が際立つ。独りで飲み下すしかないものの気配が、画面の冷えた光からゆっくり滲み出す。About出版社集英社出版年2024年判型四六判 / A5判 サイズジャンル文学・評論Credits装丁大久保伸子装画メリヤスミドリAmazonで見る