
世界各地の書店を訪ね歩いた紀行エッセイ。書店という場が人と本、人と人をつなぐ拠点としてどう存在してきたかを、無数のエピソードを通じて辿る一冊である。表紙には版画のような質感で描かれた小さな書店の建物が置かれ、屋根には赤い格子模様の本が積まれ、入口の上には「LIBRERÍAS」の看板が掲げられる。生成りの地に黒い線描と差し色の赤がにじみ、印刷物というより一枚の刷り絵を眺めているような佇まい。世界の片隅にぽつんと灯る書店の灯火を、紙の上にそっと写しとったような装丁である。

著JohnsonDenis、藤井光
装丁緒方修一
装画Sam Messer
白水社 / 2019年
文学・評論