
現代アメリカの作家たちによる「モンスター」をめぐる短篇を集めたアンソロジー。怪物の姿を借りて、人間の不安や孤独、慕わしさを掬い上げる17篇が並ぶ。表紙はクリーム色の地に、爬虫類めいた緑の生き物、橙色の毛むくじゃら、つぎはぎの巨人、コウモリやかぼちゃのお化けが手描きの版画風タッチで賑やかに並ぶ。蛍光のピンクと黄緑、橙が刷り重なり、輪郭は黒い線でざらりと粗く、紙の風合いを残した素朴な印刷の質感。サーモンピンクの帯に「怖いのに、なつかしい。」のコピーが太く据わり、滑稽で愛おしい怪物たちの気配を装丁全体が引き受けている。
著KorschunowIrina、石川素子、吉原高志
装丁芝晶子
白水社 / 2014年
文学・評論