
研究現場の機微を五・七・五に閉じ込めた、理系発のユーモア句集。6815句から選び抜いた「あるある」を、肩の力を抜いた距離で味わうアンソロジーだ。表紙は淡いクリーム色の地に、巨大な三角フラスコの中で正座する白衣の研究者をイラストで配置。レトロな科学叢書の意匠を踏襲した縦組みの明朝タイトルと、黄色い帯に書かれた一句が、装丁全体に実験室の静かな滑稽を漂わせる。研究という閉じた世界の呼吸を、五七五と一枚の絵が軽やかに外へ開いてみせる。

著真梨幸子
装丁中村妙
装画しのはらえこ
講談社 / 2021年
文学・評論