
閻魔大王の孫娘・沙羅が、殺された者に対して犯人当ての推理ゲームを仕掛けるミステリ連作の一篇。本作では「業火」をめぐるホワイダニットが軸となる。白地のカバーに、黒髪ショートの少女が膝を抱え、こちらをまっすぐ見据える立ち姿が大きく配される。素肌から覗く黒のワンピース、足元のスニーカー、背後に飛び散る赤の墨痕が、少女のあどけなさと冥府の気配を同時に立ち上げる。タイトルは黒・赤・緑を散らした明朝で組まれ、軽やかな書体と不穏な余白の対比が、生死を賭けた推理劇の手触りをそのまま装丁に落とし込んでいる。
著くどうれいん
装丁名久井直子
装画unpis
講談社 / 2022年
文学・評論