
行動経済学者が、人間の「不合理さ」がむしろ仕事や暮らしを豊かにする予期せぬ効果を、実験と逸話で解きほぐした一冊。表紙は白い余白を広くとり、両手を上げて飛び跳ねる四人の人物を線画と淡い色で散らす。黄色のシャツ、緑のトップス、ベージュのコートなど着衣の色は控えめで、軽やかな手描きの線がそれぞれの身振りの違いを際立たせる。日本語タイトルは太い明朝で大きく置き、その下に英題と副題を細い欧文で添える。理屈通りに動かない人間の姿そのものを、整然とした書容の中に弾ませてみせる構成になっている。

著三浦哲哉
装丁宮古美智代
装画長崎訓子
講談社 / 2021年
文学・評論