
船橋市消防音楽隊を舞台に、フルートを手にした少女の出発の一日を描く青春小説。新潮文庫nexの一冊として、若い読者にも届く軽やかな佇まいで仕立てられている。表紙は澄んだ水色の空を背景に、制服姿でフルートを奏でる少女と、後方に佇む赤い消防車を配したイラストレーション。譜面台から飛び立つ楽譜と、足元から渦を巻いて立ち上る黄色い音符の流れが画面を横断し、音が空気を伝う瞬間を視覚化する。タイトル文字は手描き風の縦組みで、軽やかなリズムをそのまま紙面に響かせている。
著片岡翔
装丁新潮社装幀室
装画雪下まゆ
新潮社 / 2021年
文学・評論