
押井守の世界観を引き継ぐ、東京の片隅で「国」を失った少女をめぐる物語。武装した兵士たちと一人の少女が装甲車の傍らに立つ場面が、緊張と諦念の入り混じる空気で綴られる。表紙はクラフト紙を思わせるくすんだベージュ地に、線画のみで重装備の車両と人物を細密に描き出す。タイトルは白抜きの明朝で大きく置かれ、その背後に小さく欧文ロゴが重なる。色を削ぎ落とした画面と無機質な線が、所属を失ったまま立ち尽くす少女の輪郭を、静かに浮かび上がらせている。
著朝宮運河
装丁坂野公一+吉田友美
装画木原未沙紀
KADOKAWA / 2023年
文学・評論