
犯罪』で知られるドイツの作家による、小説・エッセイ・観察記録を横断する作品集。日常のなかの孤独や暴力に静かに向き合う断章が、珈琲と煙草という小さな慰めを介して連なっていく。表紙は深みのある黄土色のカバーに、墨と粗いタッチで描かれた一杯のカップを据える。カップの腹にはドイツ語原題と著者名が手書き風に走り書きされ、その上を黒い鳥のような影がよぎる。タイトルは細い明朝で縦に組まれ、余白の広さが物語の静けさをそのまま受けとめている。

著青柳碧人
装丁西村弘美
装画ミキワカコ
東京創元社 / 2017年
文学・評論