一覧に戻る文学・評論猿の戴冠式小砂川チトある事件以降ひきこもっていた女性が、言葉を学習させられた類人猿との交歓を通じ、自身の輪郭を問い直していく物語。古典様式の肖像画を思わせる構図に、顔があるべき位置だけ金の額縁が据えられ、その内側で真珠光沢の有機的なかたまりに眼がひとつ浮かぶ。襞襟と深い緑の衣装、くすんだ青緑の地が様式の重さを支える。人の顔を空白のまま他者と眼差しを交わすこの装丁は、種や言葉の境界を越えていく作品そのものの輪郭だ。About出版社講談社出版年2024年判型四六判 / A5判 サイズジャンル文学・評論Credits装丁岡本歌織(next door design)装画榎本マリコAmazonで見る