歴史・地理
サハリンを忘れない 日本人残留者たちの見果てぬ故郷、永い記憶
後藤悠樹
戦後70年、ロシア・サハリン(樺太)に残された日本人たちの暮らしを訪ねたドキュメント。寒さの厳しい土地で生き続けてきた人々の顔と、日々の営みを記録している。表紙には雪に深く埋もれた木造家屋の前に立つ老夫婦と一匹の犬の写真。屋根を覆う厚い雪、霞んだ空、青と灰の冷ややかな光のなかで、人物の表情だけが静かに息づく。下部に淡い水浅葱のグリーンの帯が敷かれ、明朝のタイトルと小さな写真キャプションが落ち着いて並ぶ。極寒の風景と穏やかな配色の対比が、忘れえぬ記憶の温度を伝える一冊。