
日々のなかの「お茶の時間」を切り取り、ひとり静かに過ごす時間の意味をやわらかく綴ったエッセイ。白地の表紙には、本を読む人物と黄色いテーブル、湯気の立つカップが線画でゆるやかに描かれ、淡いピンクの帯が画面下部に水平に走る。タイトルは右側の桃色の楕円のなかに手描きの細い筆致で収められ、書き文字の吹き出しや「ほっこり」といった添え書きが余白に呼吸を残す。色数を抑えたイラストと余白の取り方が、本の主題である小さな休息のリズムをそのまま誌面に置き換えている。

著崔実
装丁セキネシンイチ制作室
装画西村ツチカ
講談社 / 2016年
文学・評論