
2020年、コロナ禍の只中で書かれた短編アンソロジー。濃厚接触、ディストピア、ゾンビ、ライブカメラ越しの世界——「緊急事態下」を生きる人々の輪郭を、現代作家たちがそれぞれの角度から切り取っている。表紙は粗い網点で再現されたモノクロの人物写真。密着する身体のシルエットを敢えて荒い解像度で見せ、その下半分を鮮やかな青の色面が断ち切るように覆う。縦書きで並ぶ著者名と、赤と白で打たれた「緊急事態下の物語」「2020/20XX」の数字。報道写真と号外のような切迫感が、収録作の温度をそのまま誌面化している。
著波木銅
装丁森敬太
装画高木真希人
太田出版 / 2024年
文学・評論