文学・評論
京都左京区がらくた日和 謎眠る古道具屋の凸凹探偵譚
杉元晶子
京都左京区の古道具屋を舞台に、店に集う凸凹な二人が品物にまつわる謎をひもとく連作短編。日常の隣にある小さな探偵譚を、土地の空気とともに描く文庫である。カバーには、巨大な鋏や扇、瓶や額が並ぶ薄暗い店内で椅子に腰掛ける少年と少女が、セピアとオレンジを基調にした落ち着いた色面で描かれている。タイトルは縦組みの明朝で右端にゆったり配され、濁点の朱が画面の温度をわずかに上げる。物語の舞台そのものを切り取ったような構図が、頁を開く前にすでに古道具屋の戸を引いた気分にさせる。