
24歳で早逝した昭和初期のモダニズム詩人の、詩・翻訳・散文を網羅した全集。漆黒の地に、銀の繊細な線描で蝶のような有機的形象が浮かび、その下には垂直に立ち上がる細い線条が雨とも草とも見える広がりを成す。左上には三角の連なり、右上には小さな十字が点景として配され、タイトルと編者名は鈍い金色の細い活字で静かに添えられる。夜の鉱物のような黒と、抑えた金銀の対比が、短い生涯に結晶した言葉の硬質な輝きをそのまま受け止めている。

著椛沢知世
装丁成原亜美
装画millitsuka
書肆侃侃房 / 2024年
文学・評論