一覧に戻る文学・評論1970年の火刑海野謙四郎昭和の夜の街角を切り取った一枚が表紙を覆う。1970年という時代の空気と、そこで起きた出来事の輪郭を、静かな筆致でたどる一冊。琥珀色の照明が滲む店先、鉄細工の意匠、絡みつく蔦、石畳に長く伸びる人影──描き起こされた光景は記憶の底から浮かび上がるように曖昧で、確かな温度を帯びている。白抜きの明朝体で大きく組まれた題字が画面を貫き、英訳と著者名が中央に静かに収まる。過去の夜に残る火の気配を、絵と文字が並べて差し出している。About出版社宝島社出版年2015年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁菊池祐(ライラック)装画げみ(Karon)Amazonで見る