
母と二人で暮らす小学生の少年が、毎朝ベランダから母に手をふる——その小さな「決まり」を軸に、家族の在り方をやわらかく描く児童文学。表紙はマンションの外階段を見上げる俯瞰の構図で、淡いピンクとミントグリーン、薄水色が水彩のように滲み、ランドセルを背負った子どもの後ろ姿だけが線画ではっきりと立ち上がる。タイトルは縦組みで余白に静かに置かれ、緑の帯が画面下を支える。朝の光と空気の透明感が、見送る側と見送られる側のあいだに流れる時間を映している。
著濱野京子
装丁城所潤
装画あわい
静山社 / 2023年
絵本・児童書