
漆黒を背景に、悪魔をめぐる物語が血の色をした文字で立ち上がる。タイトル「a Man called DEVIL」は赤いセリフ体で大きく三段に積まれ、その背後には五芒星と呪符めいた円環が薄く透ける。上部の和文タイトルは細い明朝で間隔を広く取り、英字の量感と対をなす静けさを担う。下半分は赤い帯が画面を断ち切り、白抜きの惹句が畳みかける構成。黒・赤・白だけの厳格な配色と、儀式図像を地紋に沈めた設計が、忌まわしき存在に魅入られていく没入感を視覚化している。
著増田忠則
装丁國枝達也
装画小山義人
双葉社 / 2023年
文学・評論