
日本各地の「名人」と呼ばれる人々を訪ね歩き、その姿や所作を写真と文で記録したドキュメント。表紙には、海女装束を身にまとった二人の女性が船上で寄り添う写真が大きく据えられ、潮で湿った黒いウェットスーツの質感、青く塗られた船べり、淡く霞む水平線がそのまま誌面に流れ込む。右上には朱色の判子を思わせる円形のあしらいに、墨書のような太い書体で題字が置かれ、写真の生々しさを和の意匠で締めくくる。被写体の佇まいと装丁の素朴な熱量が、「名人」という言葉の手ざわりを静かに伝えてくる。
著北野勇作、森本晃司
装丁祖父江慎+藤井瑶
福音館書店 / 2023年
絵本・児童書