
江の島の路地に佇む一軒の食堂を舞台に、人と猫の交わる日々を描いた連作。海沿いの石段、木造の家、生い茂る緑、そして遠くを見つめる小さな猫の姿が、水彩の柔らかな滲みで一枚絵として収められている。タイトルは朱赤の手書き文字で大きく置かれ、ブルーグリーンの海と植栽の中で温度差を生み、絵に没入させながらも文字としての強度を保つ。手前の茂みに座る猫を中心に据えた構図が、読者を物語の入口へと静かに導いていく。
著平野レミ
装丁川名潤
装画和田誠+舟橋全二
カバー写真平野レミ
ポプラ社 / 2023年
暮らし・健康・子育て