
深夜に読まれることを前提に書かれた、百話の短い怪談を収めた連作集。表題作の「百太郎」とは、闇の中で出会う名もなき何者かの総称でもある。生成りに近い淡いクリーム地に、墨色の明朝体で「深夜百太郎」の文字を大きく崩し、横倒しや縦の重なりで配置している。著者名と副題「入口」は本文用の活字のような細身で文字組の隙間に潜り込み、下部には小さく欧文と版元名がのる。整然と並ばない題字が、夜更けに像を結びかけては崩れる怪異そのものの輪郭を、紙の白さの中に浮かび上がらせている。
著北野勇作、森本晃司
装丁祖父江慎+藤井瑶
福音館書店 / 2023年
絵本・児童書