一覧に戻る文学・評論騙王秋目人戦火の余韻が漂う荒野に、剣を提げた若い人物が背を向けて立つ。煤けた空と血を吸ったような赤茶の地面、折れた槍や旗の残骸が並ぶ戦場が、油彩風の柔らかな筆致で描かれ、残酷さの輪郭をわずかに和らげている。中央には白抜きで大きく置かれた書名、四隅には金色の唐草飾り、上端に小さく著者名と、絵物語めいた額装の構えで全体がまとめられる。「騙り」を冠した王の物語を、勝者の凱歌でも敗者の悲嘆でもなく、戦のあとに残された一人の後ろ姿として静かに差し出している。About出版社角川グループパブリッシング出版年2011年ジャンル文学・評論Credits装丁鈴木亨装画だんAmazonで見る